補論ａ 動物変身は鼻づら主義と親和的か？ 獣人の範疇に属するものに、動物変身の物語がある。これは、人間が動物になるという点において共通する物語である。（動物が人間になる場合もあるが、これを人間から動物への変身と同じ種の物語と捉えてよいかどう…

結論 〜 超えられない壁なのか？（あるいは、獣人文化の未来展望） これまで見てきたように、鼻づら主義と耳しっぽ主義には決定的な違いが存在する…人間の顔を選考するか否かという違いである。この違いが存在する限り、両者の共存はあり得ない。 リアルな動…

本論 〜 鼻づら主義と耳しっぽ主義の分析 第四章 で、鼻づらや耳しっぽは何を表しているの？ 〜 象徴の問題 その意味でいえば、マズルもまた象徴といえる。マズルを有することは、通常はほぼ完全な動物的頭部を有することである。動物の頭部を有するという表…

本論 〜 鼻づら主義と耳しっぽ主義の分析 第四章 で、鼻づらや耳しっぽは何を表しているの？ 〜 象徴の問題 前章で述べた通り、耳やしっぽはある意味において象徴的であると考えられる。 すなわち、耳やしっぽは動物の象徴的な部分（パーツ）であり、耳やし…

本論 〜 鼻づら主義と耳しっぽ主義の分析 第三章 鼻づら主義と耳しっぽ主義、どっちがリアル？ 〜 表現の問題（承前） 人間キャラクターに追加的に付加するだけですむ耳やしっぽは、象徴的なものとして、ノン・リアルに表現されることもままある。むしろ、耳…

本論 〜 鼻づら主義と耳しっぽ主義の分析 第三章 鼻づら主義と耳しっぽ主義、どっちがリアル？ 〜 表現の問題 動物（人間を含め）は、現実の存在である。ゆえに、人間と動物の複合である獣人も、リアル（写実的・現実的）に表現が可能なはずである。一方、絵…

本論 〜 鼻づら主義と耳しっぽ主義の分析 第二章 鼻づら主義者はマズルを好み、耳しっぽ主義者は耳しっぽを好むのか？ 〜 選好の問題（承前） 物語世界を離れ、現実世界においてみても、例えばアイドルなどが「ネコミミ」を着けるとしても、決して顔を隠すこ…

本論 〜 鼻づら主義と耳しっぽ主義の分析 第二章 鼻づら主義者はマズルを好み、耳しっぽ主義者は耳しっぽを好むのか？ 〜 選好の問題 鼻づら主義者は、マズルがなければ獣人ではない、と断言する。すなわち、彼らは、ほぼ完全な動物の頭部を有する程度の、言…

本論 〜 鼻づら主義と耳しっぽ主義の分析 第一章 鼻づらと耳しっぽの数 〜 普遍性の問題（承前） このように、我が国サブカルチャーにおいて、動物の外観的要素を有するキャラクターとしては、耳しっぽ主義が比較的大きな勢力を有しており、第三の領域として…

本論 〜 鼻づら主義と耳しっぽ主義の分析 第一章 鼻づらと耳しっぽの数 〜 普遍性の問題（補注） 鼻づら主義作品と耳しっぽ主義作品の数について、定量的な分析は困難と書きましたが、あまりに無責任なので、とりあえず、獣人的書庫の獣人関連資料リストのう…

本論 〜 鼻づら主義と耳しっぽ主義の分析 第一章 鼻づらと耳しっぽの数 〜 普遍性の問題 まずはじめに、現状を公平に認識してみよう。鼻づら主義と耳しっぽ主義のどちらがより一般的だろうか？ 立派な鼻づらを備えた獣人キャラクターの登場する物語作品と、…

序論 〜 鼻づら主義と耳しっぽ主義（承前） ここで、「獣人」の定義について触れておく必要があるだろう。本稿では、獣人とは、動物と人間の要素をどちらも備えている物語上のキャラクターをいう（注１）。その多くは、変身を伴う場合とそうでない場合とがあ…

Muzzlers VS Ear-tailists: Is there an unbreakable wall between them? 序論 〜 鼻づら主義と耳しっぽ主義 第一に、マズラー(Muzzlers)なる獣人愛好者たちがいる。マズラーとは、マズル(muzzle)、すなわち動物の突き出た鼻づらを愛するためにそう呼ばれる…