(補足)

先日のワニの話について補足。
豊玉姫の真の姿である「八尋和邇」(やひろわに)が何を指すのかははっきりとしないとされており、一般にわにざめと称されることからサメともいわれていますが(因幡の白兎の話もわにざめ)、個人的には、サメではないのでは、と思っています。


ワニがクジラを追い立てて狩りをしたという記述も残されているとされ、クジラを狩る海棲の生き物、すなわちシャチと考えられています。八尋というと一尋が大人の両手を伸ばした長さとして、1.5メートルと勘定しても10メートルを超えてしまいますが、10メートル近くまで大きくなるシャチは、八尋の「わに」として、感覚的にはしっくり来ます。
シャチが浜辺に乗り上げることもありますしね。


ちなみに記紀には一尋鰐(ひとひろわに)というのも登場するのですが(山幸彦を乗せている)、これらや、因幡の白兎の「鰐鮫」について、その行動などを動物観察的な観点からみると、サメというよりは、イルカなんではないかなぁと思うのです。「入鹿魚」という言葉もあるので鰐は違うだろうという読み方もあるのかもしれませんが、そこまで厳密に使い分けができていたとも思えませんし。