巳年随想

新年もすでに10日が経過してしまいましたが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。


さて、今年は巳年、ヘビの年であります。
厳密にいいますと獣人という字義からは外れますが、ヘビにんげんといいますと「イグの呪い」とか反射的に思い起こすラブクラフティアンな上羽ですが、よく考えてみますとそもそも蛇には手足というものがないわけで、獣人概念とは親和性が低いように思われるわけであります。半人半蛇ってどんな状態だ。そういえば、「獣人」アンソロジーで、変な病気で腕が無くなったりして見かけが蛇みたいになるとかいう、正確には獣人ものですらない気色悪い話がありました。上羽はああいうのは非常に苦手です。まあ読み手に生理的嫌悪感を覚えさせるのが狙いでしょうから文章としてはよくできているのでしょうが、レビューのためとはいえ読みたくなかったなー。
もっとも、ヘビ族の名誉のため付け加えますと、ヘビは恐れ忌まわれるばかりではなく、神の使いなどとして信仰の対象ともなってきたのであります(例えば岩国の白蛇)。


ええと話が脱線しましたが、蛇人。ちなみに最近レビューした「セントールの悩み」には、南極蛇人なる種族が登場します。アステカのケツァルコアトル神を下敷きにしているようなのですが、ちゃんと手足はあります。
ケツァルコアトルは「羽ある蛇」、ときによっては龍扱いされることもあるように思います。昨年の龍の話でも、インドのナーガやサルパ(例えばヴリトラ(アヒ))、ペルシアの蛇王ザッハークなどについて少し述べましたけれども、世界各地の神話伝説に登場する龍と大蛇の区別は、なかなかに難しいものがあります。いちおう足があるのが龍なんでしょうが、だとすれば例えば足のないナーガがなぜ八大龍王になるのか。その昔、"Wyvern"なるドラゴンをモチーフとしたアメリカのTCGがありましたが(誰も知らない)、ドラゴンと称して世界の神話に登場するヘビ族が登場しまくっていました。(しかしO-Gon-Choって日本のドラゴンがいたのですが何をどう勘違いしてしまったんでしょうか。)
はてさて八岐大蛇は蛇か、はたまた龍の一種なりや?


まだ途中ですが、長くなってきたので今宵はこのへんで。