リクエストを頂きましたので、覚えてる限りの龍化夢の詳細

とある山の山頂にある神社(漢字2文字の○○神社だったが失念。たいそう古びているが、どことなく大山阿夫利神社っぽい)は、由緒正しい古い社で、主神は別にあるのだが、配神として龍神が祀られている。
観光名所でもない辺鄙な山の頂にあるため、普段はあまり参拝客もなく、常在の神主もいないため手入れも行き届いていないが、毎年、年末になると一日だけ祭りが催され、その日だけは数百〜千人の参拝客が押し掛ける賑わいを見せる。
この祭りのハイライトは、神社の社殿から、龍神が宿るという宝物を並み居る参拝客に向かって投げ込む「投げ入れ」というイベントである。この宝物は、直径2センチほどの瑪瑙の玉10玉ほどが連なった連珠に小さな革袋がついているもので、革袋の中身は龍神の宿るお守りであるという。この「宝物」を運良く授かった参拝客は、その後1年間宝物を預かることとなるが、その間は無病息災で万事が叶うとされ、参拝客数百人が争って奪おうとする。
これは、230年ほど前から続く風習だという。
なお、なぜかわからないが、近くにある仏閣の住職(禿頭で眉が太く眼力のある年配の坊主)がこの奇祭を主催している。


さて、主人公は、歴史好きの友人に連れ立って神社を見に来ただけで、特に「投げ入れ」を目当てにしてきたわけではないが、折角なのでと参加することにしたところ、何の偶然か宝物を授かってしまう。
宝物を投げ入れた住職の祝福を受け、帰ろうとしたところ、紫色の服を着た一人の老婦人が現れ、涙ながらに訴える。すなわち、自分は重い病にかかっており、余命一年もない。お医者様には見放されてしまったが、龍神様の宝物を授かれば、病が癒えるかもしれない。どうか、私にその権利を譲ってはくれないか、というのである。
祭を主催する住職はしきたりで譲ることはできないと主張するが、別の神社から(手伝いに?)来ている白髭の神主は、そもそも、投げ入れがこのスタイルになったのは30年前にこの住職が主催するようになってからで、その前はもっとおおらかな儀式だったはずだと主張し、神通力を必要とする人に譲るべきだという。だが、住職はこのやり方が正しいのだといって頑として聞かない。
そんな一悶着があったが、主人公は、なぜか心に引っかかるものを感じ、ちょっと考えさせてほしいといってその場は立ち去る。


友人と下山する主人公だったが、その途中で、子供ほどの背丈の複数の黒い影が素早く移動するのを見かける。
中腹でそいつらは正体を現し、主人公たちに襲いかかる。両生類のような緑灰色の皮膚を持つ、人型だが人間とは似ても似つかぬ怪物である。そいつらは、鋭い爪をきらめかせて躍りかかる。
そのとき、くだんの住職が駆けつけ、数珠を構え、呪文(お経?)を唱えて怪物を退散させる。
住職は、怪物のことを「小鬼」と呼び、やはり鬼どもが宝物を狙っていたか、とひとりごちる。そして、主人公に、その宝物は何があっても手放してはならないと忠告する。
主人公がどうすればいいのかと聞いても、詳しいことを語ろうとはせず、「龍神様が導いてくださるはずだ」とかなんとかいうばかりでらちがあかない。


仕方なく、危険を避けるため友人と別れて下山を続ける主人公。本来の下山ルートを外れ、獣道をかきわけて麓の古い宿場町までたどり着くが、そこで主人公を待ち構えていたのは、体長20メートルはあろうかという巨大なカマキリのような真っ黒い化け物であった。黒いカマキリは小回りが利かないものの、禍々しい羽根で空を飛び、両手の鎌で町並みを破壊しながら主人公を追いかける。袋小路に追いつめられ、万事休すと思われたそのとき。
握りしめた宝物からまばゆい白い光が発せられ、その光に包まれた主人公の身体は、引き延ばされる感覚とともに巨大化する。
否、巨大化したのではなく、人間ではない別の「何か」に変化しているのだ。
それは、カマキリと同じくらいの大きさを持つ、白い「龍」であった。どうやら、主人公は龍神に選ばれて化身の依代となったらしい。ただし、龍神の意思などが感じられるわけではなく、ただ龍になっただけで、どうしたらいいのかもさっぱりわからない。
(どうすればいいんだ?!)
もがくように手足をばたばたさせると、身体が宙に浮くことがわかる。あたかも水中を泳いでいるように、空中を飛ぶことができるのだ。これで、飛んできたカマキリの鎌を間一髪かわすことができた。
だが、カマキリの武器は鎌だけではない。カマキリの尾には鋭い刺があり、どうやら猛毒をもっているらしい。これに刺されればひとたまりもなさそうだ。ただ宙に浮いてもがくだけでは、カマキリの攻撃をしのぎきることは難しい。
(え、えっと、こうすると…しっぽが動くぞ?!)
「しっぽ」の部分を動かすのは、人間の身体を動かすのとはまた違った感覚である。手でも脚でもない、かといって臀部でもない、敢えていうなら背骨の真ん中辺りから別の胴体が突き出しているような…不思議な感触がある。とにかく、これを操ることで、空中でも急展開が可能になった。かなり自在に空中飛行できるようになったのである。加えて、手足だけでなく「しっぽ」で相手を攻撃したりすることも可能になったわけだ。
飛行しながら急接近して鋭い刺を突き立てようとするカマキリ。その腹部にしっぽを巻き付けて動きを封じる。だが、カマキリの身体からは闇のようなものが滲みだしていて、触れただけで凍り付くような痛みが走る。このままでは、たとえ龍の身体とはいえ、闇に浸食されてしまいそうだ。
(まずいぞ、なんとかしないと…)
「龍」は汗をかかないが、主人公は心の中で脂汗をかきながら、丹田に力を込める。すると、熱いものが身体の芯から湧き出してくる。
光だ。白い光が、龍の身体から発せられている。その光が闇を打ち消し、カマキリの化け物は悲鳴ともつかぬぞっとする雄叫びをあげた。
「キィィィィィエェェェェェ!!」
カマキリが、光に包まれて消滅していく。
主人公は、ほっとしたような、妙な脱力感に襲われながら意識を失った…。


…ってな感じでしたかねぇ。
まぁ、我ながら無茶苦茶ですね。ざざっと打ち込んだのでひどい文章ですがご容赦を。