「キリングバイツ」1巻

四つの財閥が財界での発言権をかけて戦う代理戦争「牙闘(キリングバイツ)」の参加者は、人の頭脳と獣の力を併せ持つ「獣人」だった…という設定のバイオレンスな青年向けまんが。


牙の鋭い方が勝つ。それが牙闘(キリングバイツ)だ…ってことで(どういうわけだか)獣化したヒロインの毛皮っぷりは割と好き。上羽的には、もう一声!というところですが、まあ一般ウケを考えると(このレベルでも賛否両論ありそうだが)これが限界か。毛皮率は割と高いが、ある意味、やはり耳しっぽ系の延長どまり(「獣耳コスプレイヤー」…流行ってるの?)。ヒロインで顔とかいじるのはやっぱり厳しいのでしょうねぇ。でもなぜラーテルか。


あと細かいことを言うと「即ち」とか「事実」とか「事例」とか微妙な動物うんちくが浮いてるのが気になりました。無理に入れなくていいのに。
あとどうでもいいけど、ちー子ちゃん(仮)(違)がチータぽくないよ! 動物うんちく入れたりしても、それキャラに反映してなかったら意味ないよ! チータ好きの上羽の気持ちをどうしてくれるんだよ!(いやどうもしないけど…)
更にどうでもいいけど意味もなく端役キャラに無理にお色気担当させるのは気持ち悪いんでやめてほしい。
そうそう、野生のエルザはライオンだし。チータじゃないし(しつこい)


マジメ(?)なことをちょっと書くと、このまんがは、獣の属性を手に入れたいという人間の(社会的)心理が獣人(という概念)を生んだ、という上羽的獣人史論の王道を行くストーリーであり、非常に興味深いというわけなんであります。また、女性キャラの獣闘士(ブルート)は顔まではほぼ変化せず(耳や牙はアクセサリー)、男性キャラの場合は顔まで獣化するというのが、また「耳しっぽ主義」の典型例ともいえ、上羽的研究の素材として面白いというわけです。


…あ、最新の遺伝子強化手術で野獣の能力を得て獣人になれるらしいんでちょっと行ってく(ぉぃ)


キリングバイツ」1
原作・村田真哉、作画・隅田かずあさ、ヒーローズコミックス、小学館クリエイティブ
2014年9月30日第1刷発行
ISBN978-4-86468-379-1
定価:本体560円+税